アジア企業ランキング
技術系上位500社に日本企業が46社
アジア市場
上場企業の地域別収益 アジアが米州を上回り
-------------------------------------------------------------
▼ アジアでも後れを取る日本は、台湾に学ぶべき
-------------------------------------------------------------
大手会計事務所のデロイト・トウシュ・トーマツがアジア太平洋地域
の“技術系”高成長企業500社のランキング「ファスト500」をまとめた
ところによると、上位500社のうち日本企業は46社を占めたとのこと
です。これは前年より3社少なく、参加9カ国・地域中で7位の成績に
なります。
あまり馴染みのない技術系に特化した上位ランキングを発表するとは、
少々恣意的なものを感じますが、ランキング上位の顔ぶれを見ると
納得せざるを得ません。
国別のランクイン企業数では、1位:台湾(99社)、2位:中国(97社)、
3位:インド(71社)と続いています。日本は、韓国、オーストラリア、
そしてニュージーランドの後塵を拝す7位に位置しています。

上位企業の業種を見ると、インターネット・半導体・環境技術・バイオ
など、本来であれば日本が得意としてきた業界です。
この事実を重く受け止めるべきでしょう。そして、中国・インドという
大きな国を押さえて、人口わずか2300万人の台湾がトップに立ったと
いうのは非常に注目すべきです。
台湾の強さの秘密は、日本・中国、そして世界を知り尽くしている点に
あると私は思います。その結果、従来のようなOEM・ODM・EMSといった
事業だけでなく、よりイノベーションを発揮できる事業で成功する企業が
増えてきています。今度は日本が台湾に学ぶ番だと思います。
特に日本が遅れている機能別の戦略の研究など、大いに台湾を研究する
価値はあります。
また台湾の起業家の多くは米国で修行した経験があるため、米国的な
考え方にも適応できているし、何より言語・コミュニケーション能力
が高いという特徴があります。
今後、日本が挽回できるのか?ということを考えてみると、この点は
致命的です。最近では韓国も非常に英語力が向上していますし、インド・
中国・オーストラリア・ニュージーランドは言うまでもありません。
語学が非常に苦手で、かつ草食系と呼称されるような消極的な気質を
持つ人が多いという日本の若者の実態を見ると、日本がこの状況を反転
させるのは容易なことではないと私は感じています。
-------------------------------------------------------------
▼ 企業トップも学生も、日本にはグローバルな人材力が不足している
-------------------------------------------------------------
そして、同時にアジア市場が日本経済に対しても強い影響力を発揮し
始めています。
日本の上場企業の収益回復をアジア地域がけん引する構図が鮮明になり
ました。主要グローバル企業の地域別収益を分析したところ、2009年
4~9月期(上期)のアジアの売上高は、半期ベースで初めて米州を
上回り、収益性でもアジアは連結営業利益の46%を占め、日本の29%
を上回ったとのことです。
アジアはこれからも大きく成長するでしょうから、そちらに上手に
シフトできた企業は日本での業績不振を挽回することができると
思います。
逆に言えば、新興国に活路を見出さなければ日本での業績不振の穴埋め
をすることは難しいということです。日本の政治家はこの事実を理解
するべきです。その上で対策を打たなければ、アジアへ流出する雇用の
流れを止めることはできないでしょう。
日本では「就職氷河期」などと言われていますが、日本企業は世界的な
規模で見れば雇用を増やしています。確かに日本での雇用は減っていま
すが、インドネシア・タイなどの地域では雇用を増やしているのです。
日本での雇用が少ないから「就職氷河期」などと嘆いていても始まりま
せん。インドネシアではニーズがあるのならば、インドネシアで就職す
ればいいのです。日本の政府や学校がこうした認識を持てていないこと
が大きな問題だと私は思います。
もしこの認識を持つなら、やることは明確です。アジアで勝負できる
人間・人材を育てるということを考えるだけです。そのような人材で
あれば、「就職氷河期」と呼ばれている時代であっても関係ありません。
貴重な人材資源として、企業は是が非でも欲しいと言うでしょう。
アジアで営業利益の高い日本企業には、トヨタ、ホンダ、パナソニック、
TDK、デンソーなどがあります。間違いなくこうした企業では「アジア
で勝負できる人材」を求めていると私は思います。

今の日本では、企業のトップが欲しいと思う人材について大学は研究を
していません。これは大きな問題です。この点に目を向ければ、今この
時代において大学教育として何を教えるべきか、ということも自ずと
明らかになるはずです。
中国企業を筆頭にしてアジア企業の多くが世界に進出し、その影響力を
強く発揮し始めています。その中で日本は遅れをとっています。これを
巻き返すためには、国際的に手腕を発揮できる人材が必要不可欠だと
思います。
日本企業の問題の1つには「企業トップ=経営者」です。今の日本の
経営者は、人員整理とコストダウンという縮小戦略しか取れず、また
海外について臆病過ぎます。このままでは海外に追いつくことなど
できないと私は思います。
そしてもう1つの問題が「若者=新卒」です。日本企業が必要とする
人材はどのようなものか?を大学側が真剣に考え直し教育内容を
変えなければ、世界と伍していける若者は出てこないでしょう。
こうした動きを通じて、日本に「21世紀のグローバル人材」が育つ
土壌を創り上げることがとても重要だと感じています。