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大前研一「ニュースの視点」
2007/10/05
〔大前研一「ニュースの視点」〕
KON182 東急不動産は、有楽町の街全体の再開発ビジョンを描けるか

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 東芝 銀座東芝ビルを東急不動産に売却
 売却額は1610億円
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●有楽町イトシアで加速する、有楽町の再開発

9月19日、東芝は子会社の東芝不動産が
東京中央区銀座に所有している「銀座東芝ビル」を
東急不動産に売却すると正式発表しました。

売却額は1610億円で、売却で得た利益1300億円は、
半導体・原子力発電・デジタル製品など、
中核事業の強化に充てる予定です。


東急不動産は1610億円もの資金を投資して、
有効活用できるのか、若干不安に感じますが、

実は、有楽町は、再開発次第で大化けする可能性を
大いに秘めている地域です。


※「大手町・丸の内・有楽町地区・再開発マップ」チャートを見る

ザ・ペニンシュラ東京、新丸の内ビル、丸の内オアゾ、
有楽町駅前開発など、近年の大手町・丸の内・有楽町の
地域の再開発状況には、目を見張るものがあります。


中でも、10月12日にオープン予定で、有楽町駅前に新しく
建設されている「有楽町イトシア」は注目に値すると思います。

有楽町交通会館や有楽町マリオンとも近く、
有楽町駅と直接連絡するという好立地な条件を備えています。


※「有楽町イトシア」チャートを見る


9月に皇居外苑と日比谷公園の向かいに位置する超高級ホテル、
ザ・ペニンシュラ東京がオープンしたこともあり、

これまで有楽町のメインストリートだった銀座通りから
少しずつ人の流れが変わってきているように感じます。


ここで、有楽町イトシアによって、
さらに有楽町の街が活性化されれば、銀座が大きな影響を
受ける可能性があるでしょう。

わざわざ銀座まで行かなくても、有楽町近辺だけで
事足りてしまう可能性が高くなるからです。

●東急不動産は、街全体の再開発という青写真を描けるか?

東急不動産による東芝ビルの買収とほぼ同じタイミングで、
三井不動産が帝国ホテルの株式33.16%を取得し、
傘下に収めています。

これは、有楽町という「街」を再開発する大きなビジョンを
持っていれば、またとないチャンスだと言えます。


東急不動産も、単に「東芝ビルを立て直して、
高くしました」だけでは、コンセプトがなく、
面白さも全くありません。


東急不動産はコリドー街側全体の再開発に着手し、
三井不動産は帝国ホテル側の宝塚などを含めた全体の
再開発に着手すれば、有楽町という街全体が
大きく変わるでしょう。


そして、安藤忠雄氏のデザイン設計による
原宿の同潤会ビル再開発のように、商業施設だけでなく
小学校等の公共施設まで含めて一体的な再開発を実現できれば、

有楽町と築地・銀座などの地域の勢力図を大きく変動させる、
面白いプロジェクトになると私は思います。


東芝ビルだけに焦点を当てると、視野が狭くなります。

全体像を把握し、ビジョンを描くことが、非常に大切なのです。

                          以上



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